たとえ君が・・・
渉は不安を感じながら、多香子にどう伝えようかと考えていた。

その日の夜。

ぐっすりと眠る多香子を見つめながら渉は考えていた。

結婚を考えている二人は結婚情報誌を買ったり、結婚式場を探したり、結婚指輪を探していた。
新居も徐々に探し始めている。

渉は母を亡くしていて、父にはすでに多香子は会っている。

結婚に向けていろいろと考えて動き出している二人だが、子供のことは話していない。

多香子は慶輔との子供を流産している。慶輔を亡くしてから過換気症候群になり、薬も飲んでいる。その状態で自分との子供を考えているのだろうか・・・。

だとしたら余計に早く調べる必要がある。

渉は将来についてまだ、多香子と話さなくてはならないことがあると感じていた。
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