たとえ君が・・・
第十章~たとえ君が涙を流しても~
「多香子。」
数日後。渉はちょうど多香子と一緒の休日があり、多香子に話を切り出した。
午前には毎月恒例の水子の供養にお寺を訪ねた。最近では多香子も一緒にお寺へ行くことが多かった。そのたびに多香子は慶輔と赤ちゃんのお墓にも手をあわせに行っている。
帰宅して少ししてから渉が多香子を呼んだ。
「一度ちゃんと話したいことがあるんだ。」
渉の改まった表情に、多香子は不安そうな顔を見せる。
付き合いだしてから、多香子は過換気症候群の発作こそ起こしてはいない。でも、時々不安そうな表情を見せたり、心のリハビリにはまだ十分ではない時間しかたってはおらず、疲れやすさもある。
渉はひとまず多香子に自分の隣に座るように言った。
二人で過ごす休日は長い時間一緒に過ごすため渉の部屋で過ごしていることが多い。
渉の部屋のソファに、多香子と渉は並んで座った。
多香子の手が少し震えている。渉はそんな多香子の両手を自分の両手で包み込んだ。
数日後。渉はちょうど多香子と一緒の休日があり、多香子に話を切り出した。
午前には毎月恒例の水子の供養にお寺を訪ねた。最近では多香子も一緒にお寺へ行くことが多かった。そのたびに多香子は慶輔と赤ちゃんのお墓にも手をあわせに行っている。
帰宅して少ししてから渉が多香子を呼んだ。
「一度ちゃんと話したいことがあるんだ。」
渉の改まった表情に、多香子は不安そうな顔を見せる。
付き合いだしてから、多香子は過換気症候群の発作こそ起こしてはいない。でも、時々不安そうな表情を見せたり、心のリハビリにはまだ十分ではない時間しかたってはおらず、疲れやすさもある。
渉はひとまず多香子に自分の隣に座るように言った。
二人で過ごす休日は長い時間一緒に過ごすため渉の部屋で過ごしていることが多い。
渉の部屋のソファに、多香子と渉は並んで座った。
多香子の手が少し震えている。渉はそんな多香子の両手を自分の両手で包み込んだ。