たとえ君が・・・
渉と多香子はもう一度頭を深く下げて隣に座った。

席が離れているとお互いに質問責めに合うと思った渉は多香子の隣に自分の席を移した。

歓送迎会は渉と多香子の結婚の話しでもちきりになった。




「ほら。」
お開きになり、多香子は珍しく酔っぱらっていた。
渉は多香子がビールを飲んでいる姿を見て自分はノンアルコールのビールにしていた。
多香子のカバンを持ち立ち上がるのを支えるとそのまま居酒屋の外へ向かった。

多香子の足取りはおぼつかない。
「歩けない」
「頑張れ。家に着いたらおぶってやるから」
と励ましながら渉は職員にかなり注目されながら駐車場まで向かった。
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