たとえ君が・・・

「ほら、頭気を付けて。」
「・・・うん・・・」
多香子を車の助手席に乗せるとすぐに渉は運転席に移動した。
「シートベルトして。」
多香子のシートベルトをして自分の上着を多香子の膝にかける。
「眠い。」
「寝ていいよ」
「気持ち悪い。」
「吐くなよ？」
「渉・・・」
「ん？」
「大好き。」
酔っぱらっている多香子は貴重だ。
渉は微笑みながら多香子を見つめた。

今夜、病院の職員に自分たちのことを打ち明けようと決めていた二人。
多香子が緊張してお酒を飲みすぎてしまったことも、渉にはかわいらしくて仕方がない。
多香子は意外とシャイだ。

それに・・・