たとえ君が・・・
渉と多香子は一緒に総合病院の外科にいた。
すでに理恵と朝陽が外科の診察室に待機していた。

理恵と朝陽の表情を見れば結果が悪かったことはすぐにわかる。

渉も二人を見てすぐに悟った。

無言で検査結果を渉に渡す朝陽。

理恵が多香子の肩を支えて椅子に座らせた。そのまま理恵は多香子の手を握る。

「検査の結果。子宮体癌だった。」
朝陽の言葉に多香子の体がピクリと動いた。

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