たとえ君が・・・
窓から差し込む光に溶け込んでしまいそうなほど真っ青な顔の若葉が良助を見た。
「大丈夫か？」
若葉の肩を抱いて良助は驚く。

良助が家を出た時に比べるとかなり痩せた。
頬もこけて肩に触れている手に骨がごつごつと当たる。

「お前、どうしたんだよ。」
「・・・ごめんなさい。大丈夫・・・」
「具合悪いんだろ？いつからだ？」
「平気だから。」
若葉はまだ真っ青な顔のまま良助の手から逃れようと体を離した。

「印鑑分かった？」
「・・・あぁ。」
若葉が自分と距離をとろうとしていることはわかる。でも、放っておける状態じゃない。
「病院行こう」
「大丈夫だから。」
良助が若葉の体に触れようとすると若葉は「お願いだからやめて」と言い放った。
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