たとえ君が・・・
触れられるのも嫌なのかよ・・・とショックを受けながらもやっぱり若葉の体調が気になる。
元から体が丈夫なほうじゃない。
「病院には?いつから具合悪いんだ?水分摂れてるか?薬あるか?熱は?」
良助があまりに心配をして質問攻めにすると若葉の瞳が潤んでいるのが分かった。

「お願い。帰って・・・」
若葉の震える声に、良助はそれ以上何も言えなかった。

ふらふらと立ち上がろうとする若葉に手を貸そうとしてその手をギュッと握りしめる。

触れたらいけない・・・
こんなにも近くにいるのに、触れられない・・・

離婚するってこういうことなのか・・・

そんなことを考えながら
「わかった」
と良助は寝室をでた。
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