はれのそら
⚫︎出逢い
大丈夫だと思えたからこそ、何があっても我慢出来た。
「中学の時、同じ学校だったけど色覚異常ってやつらしいよ」
「え、そうなの…色分かんないとか私らには理解出来ないねえ…」
「まあ、ちょっと気の毒だよね…」
小さな声で言っているようでも本人には聞こえているものだ。
もしかしたらわざと聞えるように言っているのではないか、とも思えるくらい。
今みたいに同情するように影で私の事を噂する人たちもいれば、面と向かって悪口を言ってくるような人たちもいる。
だけど、我慢出来た。
皆と違う所があるけれど、人間皆一緒では無い。人それぞれ個性があって、私の障害も個性だと思えば我慢出来た。
母の『大丈夫』だと言ってくれた言葉を思い出せば、我慢が出来た。