はれのそら
教室へと向かう足が止まる。
何を思ったのか、私は踵を返し教室とは反対方向の別棟へと向かった。
急いでるわけではない。
それなのに私は走り続ける。
人気のない別棟へ辿り着くと、乱れた呼吸を肩で整えながら壁にもたれ、ズルズルと座り込んだ。
「何で、逃げちゃったんだろう…」
途端に込み上げる感情が、胸を締め付け、容赦無く心を突き刺していく。
ずっと我慢をしてきた。
色んな気持ちを押し殺してきた。
辛かった。
そうだ、自分はずっと辛くて苦しかったんだ。
目から溢れ出る滴が頬を伝い、やがて強く握った拳の上に落ちていった。