かりそめ婚ですが、一夜を共にしたら旦那様の愛妻欲が止まりません
第五章 長嶺の過去
今日も無事に仕事が終わり、帰りにパティスリー・ハナザワの事務所へ寄って見ると、にこにこ顔の館川さんが恭子さんと一緒にパソコンのモニターを覗き込んでいた。

「あ、芽衣さん、来て来て!」

早く早くと言わんばかりに手を引かれ画面を見ると、そこには週間売り上げのデータが映し出されていた。

「あ、すごい!」

恭子さんが考えた新商品を並べてから数週間、明らかに売り上げが右肩上がりになっている。ほかに生菓子の新商品も考案したようでいくつか試しに並べてみたところ、意外にもヒット商品になったという。販売部数を見ると、既存の商品よりも新商品の売り上げのほうが断然多かった。

「芽衣さんのおかげよ。商品を改善してから、こんなに早く結果が出るなんて、ネットの口コミもいい感じ!」

恭子さんの嬉しそうな顔を見たら私も嬉しくて、思わず両腕を天に突き上げたくなった。これはプロジェクトの成功を意味する。

「そういえば、長嶺部長が広報に宣伝してくれたみたいですよ、ホームページの店内案内に新商品をクローズアップして載せるように頼んだって言ってました」

長嶺さんが?
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