かりそめ婚ですが、一夜を共にしたら旦那様の愛妻欲が止まりません
「大丈夫か?」
うっすら汗ばんだ額に指を差し込んで長嶺さんは私の髪を撫でつける。冷めていく熱が名残惜しいのか、再び彼は私に唇を重ねついばんできた。
柔らかく、優しく、そして心地よい。
ようやく唇が離れ、そっと目を開けると長嶺さんの顔はまだ吐息が触れるほど近くにあった。
まっすぐで綺麗な瞳が静かに瞬く。
「全部、君のすべてを俺のものにするから」
ドクン、と胸の奥が大きく響く。
傲慢だけど、優しい声音――。
全部、身体も心もすべて、長嶺さんに委ねてもいいのだろうか。私は、まだ彼になにも応えていないというのに。
そんなことを考えあぐねていると、急激に睡魔に襲われる。まだ長嶺さんを見つめていたいのにそれを許さない瞼が重くのしかかってくる。
「私、長嶺さんのこと……」
「え?」
自分でもなにを言いかけたのかわからなかった。目を瞬かせている彼の顔を最後に、私の意識はそこでぷつりと切れた――。
うっすら汗ばんだ額に指を差し込んで長嶺さんは私の髪を撫でつける。冷めていく熱が名残惜しいのか、再び彼は私に唇を重ねついばんできた。
柔らかく、優しく、そして心地よい。
ようやく唇が離れ、そっと目を開けると長嶺さんの顔はまだ吐息が触れるほど近くにあった。
まっすぐで綺麗な瞳が静かに瞬く。
「全部、君のすべてを俺のものにするから」
ドクン、と胸の奥が大きく響く。
傲慢だけど、優しい声音――。
全部、身体も心もすべて、長嶺さんに委ねてもいいのだろうか。私は、まだ彼になにも応えていないというのに。
そんなことを考えあぐねていると、急激に睡魔に襲われる。まだ長嶺さんを見つめていたいのにそれを許さない瞼が重くのしかかってくる。
「私、長嶺さんのこと……」
「え?」
自分でもなにを言いかけたのかわからなかった。目を瞬かせている彼の顔を最後に、私の意識はそこでぷつりと切れた――。