かりそめ婚ですが、一夜を共にしたら旦那様の愛妻欲が止まりません
持ち帰りのランチと一緒にデザートとしてこの時間に買いに来るお客さんもいるはずだ。それを考えると、在庫切れというのはかなり損だ。父が亡くなり、店を離れていったスタッフも多いと聞いていたから、きっと手が足りていないのだろう。そのとき。
「恭子さーん、前園さん今日風邪でおやすみって今連絡あったんですけど……」
「はぁ!? 今? まったく、なんでもっと早く連絡しないのよ。も~このクソ忙しい時に! あ、芽衣さん、来たてのね」
突然のスタッフの欠勤に苛立っていた恭子さんが、私の姿に気づくなりにこりと笑顔に切り替わる。
「どうかしたんですか? 今、チラッと聞こえちゃったんですけど……」
「うーん、今日はただでさえ人が足りてないところにひとり欠勤が出ちゃってね、これから部長のところに予約分のケーキを届けなきゃいけないんだけど、私はここを離れられないし……かといって売り子さんたちを今出すわけには……」
恭子さんの話によれば、会議がある日には必ずと言っていいほど長嶺さんからケーキの予約が入るらしい。そして、その注文のケーキを販売スタッフの誰かがオフィス棟まで持っていくことになっているけれど、今日はひとり急な欠勤が出たため、接客に追われた売り子さんもケーキを持っていくタイミングがなかなかないようだ。
「恭子さーん、前園さん今日風邪でおやすみって今連絡あったんですけど……」
「はぁ!? 今? まったく、なんでもっと早く連絡しないのよ。も~このクソ忙しい時に! あ、芽衣さん、来たてのね」
突然のスタッフの欠勤に苛立っていた恭子さんが、私の姿に気づくなりにこりと笑顔に切り替わる。
「どうかしたんですか? 今、チラッと聞こえちゃったんですけど……」
「うーん、今日はただでさえ人が足りてないところにひとり欠勤が出ちゃってね、これから部長のところに予約分のケーキを届けなきゃいけないんだけど、私はここを離れられないし……かといって売り子さんたちを今出すわけには……」
恭子さんの話によれば、会議がある日には必ずと言っていいほど長嶺さんからケーキの予約が入るらしい。そして、その注文のケーキを販売スタッフの誰かがオフィス棟まで持っていくことになっているけれど、今日はひとり急な欠勤が出たため、接客に追われた売り子さんもケーキを持っていくタイミングがなかなかないようだ。