涙 のち 溺愛



「──江藤、お前凄いな」

青山が、ふっ、と息をついて言った。

「青山、江藤。
お前らは早退しろ。

他の奴らの仕事にも差し支えるし、お前らも仕事にならんだろう」

課長が、心配そうに言ってくれた。

「え…でも……」

私が呟くと

「お前も青山も、酷い顔色だ。

青山も、午前中に仕事の目処が立ったはずだから。

明日から…いや金曜日だから、月曜日からか。
今日のことを今週中に落ち着かせとけ」




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