思いを乗せたカクテルをあなたに
攫われた神様に、カクテルを捧げたい
それは、突然のことだった。轟音が福宮神社の境内に響く。カミラは、仕事で留守にしており、いるのは、コナミだけだ。
「……何の騒ぎだ?」
立ち上がり、コナミは外に出た。大きな黒いモヤが、外に出たコナミを襲う。
コナミの意識は、ここで途切れた。
仕事を終えたカミラは、今日も神社に帰る。カミラは、鳥居の前で目を見開いて立ち尽くした。建物は所々破壊され、地面には穴が空いている。
「コナミ様!!」
我に返ったカミラは、コナミの無事を確認しようと神社内を探し回った。しかし、コナミの姿は見当たらない。
「……ん?」
カミラは、紙が落ちていることに気づき、紙を拾い上げる。
初めまして。私は、蛇使いのアーサーと申します。コナミ様は、ただいま私の手の中にあります……返して欲しければ、私が指定する場所まで来なさい。
カミラは手紙に目を通すと、すぐに洋子の元へと向かった。
慌ただしく扉を開き、転がり込む。そんなカミラの様子を見た洋子は、目を見開いた。
「いつも冷静なカミラさんが慌てるとは……どうしました?」
「コナミ様が……コナミ様が……」
慌てているカミラを、洋子は椅子に座らせて落ち着かせる。