思いを乗せたカクテルをあなたに
「……そう言ってもらえて、嬉しいです。そう言えば、カミラさん、コナミさん。カクテル言葉と言うものをご存知ですか?」

洋子の問いかけに、カミラとコナミは「カクテル言葉?」と首を傾げる。

「はい。花言葉という言葉は、ご存知ですよね?」

「あぁ。バラなら『愛』……のやつだろ?」

コナミの答えに、洋子は「はい」とうなずいた。

「そのような感じで、カクテルにも言葉があります。そのブルドッグというカクテル言葉は『守りたい』です」

洋子は、優しく微笑んでカミラとコナミを見つめる。

「……守りたい、ですか……」

カミラは、グラスを置いて呟いた。カミラにとっての守りたいものを、カミラはまだ見い出せていない。

「……守りたいものは、案外近いところにあるものなんですよ」

洋子は、そんなカミラの心情を察したかのように言う。

「そうでしょうか……」

洋子の言葉に、カミラは悲しそうに微笑んだ。
< 4 / 20 >

この作品をシェア

pagetop