愛は、つらぬく主義につき。 ~2
「そんなコト言ってあたしに隠し事するとハゲるんだからね。観念して吐いてよ?」

途端。ちょっとむせてから真がイジワルに笑う。

「へぇ、いーねそれ。宮子を吐かす時はなんて言われたい?」

オレに隠しごとしたら金庫に閉じ込めて、一生出してやんねーよ。
伸びてきた腕に頭を引き寄せられ、耳元に寄せられた囁き。吐息の熱とは裏腹に冷んやりと聞こえた。

離れて。合った視線がはぐらかすようにすぐ逸れ、何でもない顔で真はユキちゃんに話しかけてた。なんだろ、らしくない。・・・ちぐはぐ。言葉にするならそんな。


よし、家に帰ったらきっちりトゲ抜きしよ。
あんたに刺さってる棘ぜんぶ抜いて、手当してあげる。
ズキズキして痛いのずっと我慢して・・・バカ。
我慢させてるあたしもバカ。

お腹の底をきゅっと引き締めて、会話に混ざりながら横顔を盗み見る。
ふと。それを通り越した先の榊と目が合う。いつもだったら素っ気なく外れるのに、黙ってあたしを捉えたままついと逸らした。

「?」

もしかして榊もなんか刺さってる?

気取られないように溜息。
こんどトゲ抜きのお地蔵さまにでもお参り行ったほうがいいかな?、・・・3人で。


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