愛は、つらぬく主義につき。 ~2
笑えるワケないよ。だって一番の“棘”が自分だったなんて思ってもなかった。いっそ仕事辞めて専業主婦になれって言いたいのかなとか、ぜんぜん的外れなこと考えてた。
いま受け止めてるあんたの重みにはきっと、見えないココロの痛みがいっぱい混じってる。たまらない気持ちが押し寄せてきて指が止まった。
「ごめん・・・。真がそんな風に思ってたの知らなくて・・・、ほんとにごめん・・・っ」
他にどう言っていいか分からない自分が口惜しい。情けないし泣きたい。堪えるようにきゅっと唇を引き結ぶ。
「勝手に怒ってんのはオレで宮子は悪くねーだろ。なんで謝んの」
いったん言葉を切った真が突っ伏したまま溜息を逃した。
「紗江が聞いたらぶっ飛ばされんな。自分はさんざん好き勝手したクセに、宮子がちょっと他の男を気にしたくらいでってさ。・・・けど高津が動いたらやっぱりオレはオマエを閉じ込めるよ、エゴでもなんでも。宮子より大事なもんはねーから」
それはあたしにって言うより、自身に言い聞かせてるみたいに聞こえた。なにかを吹っ切ったようにも。聞こえた。
「エゴだなんて思わないよ」
止めてた指先を滑らせそっとまた髪を撫でる。
「そこまで想ってもらえてシアワセなくらいだもん・・・。嘘じゃないからね?」
「・・・ん」
「鳥カゴの中でもどこでも、あんたがいて榊がいて、仁兄や哲っちゃん達がいてくれればあたしはなんにも変わんないの。笑ってられんの」
ひと言ひと言、噛みしめながら。気持ちがぜんぶ届くように。
「真が笑えなくなる方が辛いんだってば。・・・ガンバリすぎないで、たまには奥さんに寄りかかって息抜きしてよ」
いま受け止めてるあんたの重みにはきっと、見えないココロの痛みがいっぱい混じってる。たまらない気持ちが押し寄せてきて指が止まった。
「ごめん・・・。真がそんな風に思ってたの知らなくて・・・、ほんとにごめん・・・っ」
他にどう言っていいか分からない自分が口惜しい。情けないし泣きたい。堪えるようにきゅっと唇を引き結ぶ。
「勝手に怒ってんのはオレで宮子は悪くねーだろ。なんで謝んの」
いったん言葉を切った真が突っ伏したまま溜息を逃した。
「紗江が聞いたらぶっ飛ばされんな。自分はさんざん好き勝手したクセに、宮子がちょっと他の男を気にしたくらいでってさ。・・・けど高津が動いたらやっぱりオレはオマエを閉じ込めるよ、エゴでもなんでも。宮子より大事なもんはねーから」
それはあたしにって言うより、自身に言い聞かせてるみたいに聞こえた。なにかを吹っ切ったようにも。聞こえた。
「エゴだなんて思わないよ」
止めてた指先を滑らせそっとまた髪を撫でる。
「そこまで想ってもらえてシアワセなくらいだもん・・・。嘘じゃないからね?」
「・・・ん」
「鳥カゴの中でもどこでも、あんたがいて榊がいて、仁兄や哲っちゃん達がいてくれればあたしはなんにも変わんないの。笑ってられんの」
ひと言ひと言、噛みしめながら。気持ちがぜんぶ届くように。
「真が笑えなくなる方が辛いんだってば。・・・ガンバリすぎないで、たまには奥さんに寄りかかって息抜きしてよ」