愛は、つらぬく主義につき。 ~2
もうそろそろ日付も変わる頃、話は尽きないけどお開きにする。ボックス席にはお一人様で飲んでる年配のお客さんがちらほら。お騒がせだったらゴメンナサイ。

今日は榊も飲んでるし、本家から車を寄越すよう頼んだらしい。カウンターの上を片付けるのを手伝い終えると身支度して迎えを待つ。

「チヨちゃんは明日からお休みなんでしょ? 本家のお手伝い行くの?」

洗いものを始めたユキちゃんに訊かれて遊佐と顔を見合わせた。

「年越しはそのつもりー。マンションは引っ越したばっかで大掃除もいらないし、あとは哲っちゃんちで瑤子ママの手伝いかなぁ~」

「もうすっかり哲司さんの娘よねぇチヨちゃん」

「ユキちゃん、ちがーう! 哲っちゃんはぁ、あたしの永遠のダーリンだもーんっ」 

「あら、言われてるわよーマコトちゃん」

「今さらツッコまないでよ、ユキ姉」

仁兄からもらった煙草に火を点け、白い溜息を横に逃した遊佐が意地の悪そうな横目をあたしに流して。

「宮子の“オジサン”好きなんか知ったこっちゃない」


・・・あ。これ、帰ったら仕返しされるヤツ・・・。
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