愛は、つらぬく主義につき。 ~2
離れの遊佐の部屋でしばらく寛いでから、二人でお風呂に入る。薬指から外した大事な指輪は、遊佐のアクセサリーケースに間借りさせてもらって。


「宮子。・・・乗って」

バスタブの中。ぬるめのお湯に浸かりながら。遊佐と向かい合わせになって上からあたしがゆっくり躰を沈めてく。自分でも動きながら、腰に添えられた遊佐の両手が緩急をコントロール。

跳ねる水音。波立つ水面。殺しきれず途切れ途切れに響き渡る喘ぎ。汗なのか湯しぶきなのか。額から滴り落ちる雫にまみれる。

時折、遊佐があたしの腰を押さえ付けて、中を抉るように奥へ奥へ突き上げようとする。上体を仰け反らせ。息が止まりそうに声にならない悲鳴を上げる。

「・・・アイシテル・・・ッ、宮子ッ」

低くほとばしる遊佐の声。切羽詰まってくる遊佐に合わせて、濡れたマッシュボブの髪を振り乱し。全身を使って遊佐の昂ぶりをもっともっと押し上げ。


解放してあげる。


「ッ、イク・・・ッッ・・・」


荒く呻き、ぜんぶ吐き出すのを待つみたいに動きが止まる遊佐。注がれたものをそのまま受け止めて、息を切らせたあたしも遊佐にすがるように崩れ落ちた。



呼吸が収まってから。甘えてキスをねだる。何度も何度も。ワルツを踏むみたいに柔らかな・・・あたしが大好きなキスを。


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