愛は、つらぬく主義につき。 ~2
「無理強いはしてないんだけどね。宮子さんにも自由意志はあるだろ?」

含みは感じない表情で淡淡と返しながら、高津さんが息を吐く。

「相澤もキミもどうしてそう、彼女達を支配したがるんだか。可哀想だとは思わないの?」

『“籠の外はキケン”だって教えてやるのもオレの義務なんで』  

「違う世界を教えてあげないなんて卑怯だね」

『オレ以外の(セカイ)をくれてやるつもりはナイですから』

あっさり言い切った真の顔がなんでか浮かぶ。不敵そうに笑ってる顔が。

「なるほど・・・。てっきりサーバントなのかと思ったら、キミはかなりのエゴイストだったらしい」

「宮子に関しては特に堪え性が無いんで、返してもらいますよオレの女」

頭の真上でした声に。驚いて振り向こうとした。一瞬早く後ろから首に巻き付いてきた、見かけによらない逞しい2本の腕。

「こうやって首に輪っか付けとかないとダメなわけ?、オマエ」

・・・うそ。なんで。頭が上手く回らない。だって電源入れたの、ついさっき。
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