愛は、つらぬく主義につき。 ~2
7-3
外に出てすぐ、ほぼ満車な駐車場の真ん中あたりにセレナのお尻と、傍らに立つふたつの人影が目に入った。腕組みして仁王立ちしてるガタイのいい男。そして細身ですらりとした立ち姿のもう一人が、ユキちゃんだって気が付いた瞬間。罪悪感で溢れかえった。
・・・たぶん。真が高津さんの居所を突き止められたのはユキちゃんのおかげ。かけなくてもいい人に余計な心配かけたんだ、・・・あたし。真の後ろをついて車に近付くごと、目線が足許へとしなだれる。
真は少し手前でスマホを耳に当てる仕草で足を止め、誰かと通話を始めた。榊とユキちゃんを前にして頭を下げる間もなく、「いい加減にしやがれ、ドアホが!!」と地の底を這うみたいなドスのきいた声があたしの脳天を破って突き抜けた。
「GPSまで切りやがって・・・! そんなに勝手がしたきゃ俺を殺してけ、お前が守らせもしねぇならもう用無しだろうがっ」
何より口惜しくてしょうがないって責められてるみたいだった。俺はお前のなんだ、って。そんなに信用できねぇのか、って。ちがうよ榊、用無しなんて言わないでよ・・・!
「ごめ・・・っっ」
胸が詰まってそう口にするのが精一杯。
「テメェのしたことはッ、」
「そのへんで赦してあげてちょうだいなトシヤ君。チヨちゃんも反省してるわよ」
激昂が収まる気配もない榊にユキちゃんがやんわり、いつものママ口調で。あたしの頭の上に男の人らしい大きな掌が乗る。
「マコトちゃんから、チヨちゃんが晶に誘拐されたって聞いたときはビックリ。ともあれ無事でよかったわ」
おずおずと見上げれば、ラフなシャツとジーンズ姿のユキちゃんが目を合わせてにっこり微笑んでくれた。
・・・たぶん。真が高津さんの居所を突き止められたのはユキちゃんのおかげ。かけなくてもいい人に余計な心配かけたんだ、・・・あたし。真の後ろをついて車に近付くごと、目線が足許へとしなだれる。
真は少し手前でスマホを耳に当てる仕草で足を止め、誰かと通話を始めた。榊とユキちゃんを前にして頭を下げる間もなく、「いい加減にしやがれ、ドアホが!!」と地の底を這うみたいなドスのきいた声があたしの脳天を破って突き抜けた。
「GPSまで切りやがって・・・! そんなに勝手がしたきゃ俺を殺してけ、お前が守らせもしねぇならもう用無しだろうがっ」
何より口惜しくてしょうがないって責められてるみたいだった。俺はお前のなんだ、って。そんなに信用できねぇのか、って。ちがうよ榊、用無しなんて言わないでよ・・・!
「ごめ・・・っっ」
胸が詰まってそう口にするのが精一杯。
「テメェのしたことはッ、」
「そのへんで赦してあげてちょうだいなトシヤ君。チヨちゃんも反省してるわよ」
激昂が収まる気配もない榊にユキちゃんがやんわり、いつものママ口調で。あたしの頭の上に男の人らしい大きな掌が乗る。
「マコトちゃんから、チヨちゃんが晶に誘拐されたって聞いたときはビックリ。ともあれ無事でよかったわ」
おずおずと見上げれば、ラフなシャツとジーンズ姿のユキちゃんが目を合わせてにっこり微笑んでくれた。