愛は、つらぬく主義につき。 ~2
開店前のお店に来たのは当然はじめてで。奥の方からカウンターの内側に戻ってきたユキちゃんは、珍しいライトグレー色のシャツに黒のパンツスタイル。前髪とサイドもワックスで流し気味にしたその見た目は、普通にイケてるお兄さん。
「助かるわ~チヨちゃん」
BGMも流れてなくて、やけにガランとした馴染みのない空気は、亞莉栖なのに亞莉栖じゃないみたいな。
「他になんかあるー? なんでも言ってよユキちゃんっ」
袖をまくったブラウスにスカートの格好で順番にイスを拭き上げ、ふきん片手に力こぶを作って見せるあたし。
「ありがと~! じゃあ入り口のドアもお願い。ぞうきんとリビング用洗剤は置いとくわねー」
「はーい」
迷惑かけた罪滅ぼしには全然足らないけど。お世話になりっぱなしの感謝も込めて開店準備を手伝う。
「それが終わったら休憩にしましょ?」
軽やかな声があたしの背中をぽんと叩いた。
「助かるわ~チヨちゃん」
BGMも流れてなくて、やけにガランとした馴染みのない空気は、亞莉栖なのに亞莉栖じゃないみたいな。
「他になんかあるー? なんでも言ってよユキちゃんっ」
袖をまくったブラウスにスカートの格好で順番にイスを拭き上げ、ふきん片手に力こぶを作って見せるあたし。
「ありがと~! じゃあ入り口のドアもお願い。ぞうきんとリビング用洗剤は置いとくわねー」
「はーい」
迷惑かけた罪滅ぼしには全然足らないけど。お世話になりっぱなしの感謝も込めて開店準備を手伝う。
「それが終わったら休憩にしましょ?」
軽やかな声があたしの背中をぽんと叩いた。