愛は、つらぬく主義につき。 ~2
7-4
国産高級セダンの後部シートに哲っちゃんと横並び。肩を抱かれた格好で無言の圧がかかってる気もする。
きっと経緯はユキちゃんから筒抜けなんだろうけど、それなら尚さら自分で言わないと。思い切って口を開いた。
「哲っちゃん」
「なんです?」
「高津さんが、日本を出る挨拶したいからって千也さんを寄越しただけの話なの。だからシノブさんにも関係ないし角が立つことでもないから」
平静を装ってさらりと言い流す。
当事者のあたしが『なんでもない』なら追及もされない。相澤さんにまで累が及ぶなんてことにはならないハズ・・・!
「・・・真が尻を拭くと言ってますんでね、出しゃばるつもりはありませんよ」
おもむろな響きに深く安堵の息が漏れた。
もし本家の若頭が動くなんてことになったら、織江さんや由里子さんに死んでも顔向けできなくなる。
「それより誓って俺に嘘はないかい」
急に切り替わった口調に戸惑う間もなく顎の下を捕まえられ、哲っちゃんの麗しい顔が迫ってた。じっとあたしを見据える切れ長の眼差しは、抜き身にも似た冷ややかな気配を放つ。
「俺のお嬢が他の男に現を抜かす恥知らずとは、思ってもねぇが」
きっと経緯はユキちゃんから筒抜けなんだろうけど、それなら尚さら自分で言わないと。思い切って口を開いた。
「哲っちゃん」
「なんです?」
「高津さんが、日本を出る挨拶したいからって千也さんを寄越しただけの話なの。だからシノブさんにも関係ないし角が立つことでもないから」
平静を装ってさらりと言い流す。
当事者のあたしが『なんでもない』なら追及もされない。相澤さんにまで累が及ぶなんてことにはならないハズ・・・!
「・・・真が尻を拭くと言ってますんでね、出しゃばるつもりはありませんよ」
おもむろな響きに深く安堵の息が漏れた。
もし本家の若頭が動くなんてことになったら、織江さんや由里子さんに死んでも顔向けできなくなる。
「それより誓って俺に嘘はないかい」
急に切り替わった口調に戸惑う間もなく顎の下を捕まえられ、哲っちゃんの麗しい顔が迫ってた。じっとあたしを見据える切れ長の眼差しは、抜き身にも似た冷ややかな気配を放つ。
「俺のお嬢が他の男に現を抜かす恥知らずとは、思ってもねぇが」