愛は、つらぬく主義につき。 ~2
「お嬢が気に病むのはそれこそ筋違いだと思うがねぇ」
相澤さんの心遣いを、デザートまでちゃんといただきながら。哲っちゃんが事もなげに言ってのければ、隣りの仁兄から伸びた掌があたしの頭を軽く撫でる。
「親父の言うとおりだ宮子、いずれ避けて通れないものもある。潮時だってだけだろうが」
「相澤が前の連れ合いを亡くして10年だ。熟れすぎた実が腐って落ちるのは道理さね」
哲っちゃんの言葉が耳の奥に残響した。
時間の流れと同じ、止められないもの。止まらないもの。どうにもできない何かを抱えてみんな生きてる。
あたしも真も。見えてないだけできっと榊も、仁兄だって。
ただ叶うなら。
相澤さんのあの淡い微笑みがいつまでも絶えないように。
胸の奥に切なく祈りを仕舞うだけだった。
相澤さんの心遣いを、デザートまでちゃんといただきながら。哲っちゃんが事もなげに言ってのければ、隣りの仁兄から伸びた掌があたしの頭を軽く撫でる。
「親父の言うとおりだ宮子、いずれ避けて通れないものもある。潮時だってだけだろうが」
「相澤が前の連れ合いを亡くして10年だ。熟れすぎた実が腐って落ちるのは道理さね」
哲っちゃんの言葉が耳の奥に残響した。
時間の流れと同じ、止められないもの。止まらないもの。どうにもできない何かを抱えてみんな生きてる。
あたしも真も。見えてないだけできっと榊も、仁兄だって。
ただ叶うなら。
相澤さんのあの淡い微笑みがいつまでも絶えないように。
胸の奥に切なく祈りを仕舞うだけだった。