愛は、つらぬく主義につき。 ~2
花爛から二台の車に分乗すると全員で哲っちゃんの家に帰った。

セレナの二列目シートであたしを自分に引き寄せ、抱き込む力を少しも緩めなかった真は。怒ってる気配はまるでなかったけど一言も口を聞かなかった。

あたしは見た目より筋肉質なその肩口に顔を埋めたまま、縋りつくように寄り添いお腹を据えた。何をおいても一番間違えちゃいけないのは真の気持ちなんだ・・・って。




泊まっていかずにアパートに戻る榊を玄関先で見送った。

「今日はいろいろ心配かけて・・・ほんとにごめん」

「お前は昔っから自分が間違ってねぇと思ったら、止まらねぇんだよ」

溜め息雑じりでぶっきら棒に返った。

「高津と会ったことは後悔しねぇってツラしてやがる」

一瞬言葉に詰まって目が泳ぐ。図星だったから。

「・・・真も分かってる分、割り切れねぇだけだ。しばらく大人しくしてろ」

「うん。・・・ありがと」

「じゃあな」

踵を返した大きい背中に「おやすみ」を言うと、手だけで返事して玄関ドアがゆっくりと閉まった。
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