愛は、つらぬく主義につき。 ~2
アイドル並みの見た目で息するみたいに言ってそうだけど。こんな告白、誕生日でさえもらったことない。

言い足りないなら、吐き出したいなら、欠片も零さずに受け止めるよ。胸の内で懸命に手を伸ばす。冷たくても熱くても痛くても引っ込めたりしないから、絶対。

「因縁だらけの高津を宮子が無視できねーのも分かってる」

濡れた前髪を掻き上げる仕草ですっと目を細めた。

「あとはもう相澤代理の問題でオマエの出る幕じゃないよ。二度とあいつの名前もツラも思い出すな、言ったコトなんか脳ミソごと捨てとけ。だいたい北原千也にまで同情して、なにオレに命乞いなんかしてんの」 

一段下がったトーン。微かにあたしから逸れた眼差し。

「宮子は優しいんだよ、オレにも相澤代理にも高津にも北原にも。・・・もっとオレのコトだけ考えてオレの為にだけ泣いてりゃいいのに」

そう言って真は薄く笑った。儚そうに、・・・口惜しそうに。
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