愛は、つらぬく主義につき。 ~2
今年は平均8連休のゴールデンウィーク。紗江と会うのは許してもらえたし、女同士のお喋りを心ゆくまで満喫できた。

『これからはママ友になるわねー、宮子と』

紗江に明るく言われ、結婚したことの意味を実感する。

6月の誕生日であたしは26歳。真の脚のことを考えても子供は早いほうがいい。こんど専門の病院に相談に行ってみよう、と決心も固まった。妊娠しやすい方法だとか体外受精っていう選択肢とか。二人にとって大事なことだから、真にもちゃんと自分の気持ちを打ち明けて。


残りの連休は、仁兄と榊と真と4人でお肉が焼ける牧場に出かけたり、仁兄に例の『落とし前』デート?に連れ回されたり。臼井家と遊佐家の全員で中華を食べに行ったし、おばあちゃんと瑤子ママに呉服屋さんにも連れて行かれた。・・・思い返すとたっぷり家族週間だった。

結婚する前も家族同然だったけど。あたしと真が一緒になって“一族”になった。絆も愛情も強さが倍になった。

・・・幸せだなって思う。極道の世界は、ぬくぬくと生きていけない戦場だって分かってても。社会にとって悪でしかないんだとしても。臼井の家に生まれた後悔なんてない。そう胸を張って大声で叫びたいくらい幸せでしかなかった。


10日後には結婚式。ドレス着て真の横に立ったらそれだけで泣けそう。紗江は絶対もらい泣きする。ダークホースで由里子さんもわりと涙もろいかも。

泣き笑いだらけのにぎやかな式になるかな。そのあとの実家での披露宴のほうが、酔っ払いオヤジ達のバカ騒ぎになること間違いなし、・・・だけどね?






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