愛は、つらぬく主義につき。 ~2
式まで一週間を切って、由里子さんオススメの一日ブライダルエステにも行き。夜な夜な真に欲しがられるせいもあってか肌艶は絶好調。

・・・ただ。オフショルダーのドレスだから跡は残さないでってどんだけ頼んでも聞いてくれない。

「・・・っ、や・・っ、だめ・・・ッ・・・」

「いーの。オレのなんだから」

バスタブの中で後ろから首筋を吸われながら、長い指にイイところを探られてどんどん言いなりにされる。

「・・・消してやらねーよ」

耳許でした低い声に背筋が粟立つ感覚。見えてないのに。容赦ない眸の気配。

あの夜から上書きされ続ける刻印。濃いの薄いのが躰中に散らばる。まるで、どこに埋もれてたかも忘れられてたスイッチがいきなり入ったみたいに、剥き出しになった。所有欲が。

あたしが高津さんに抱く感傷が恋愛感情なんかじゃないって分かってても、真の中でまだ火種が(くすぶ)り続けてるように。
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