愛は、つらぬく主義につき。 ~2
「誰と?! どっかの組のお嬢と?!」

「まあね。一ツ橋(ウチ)と縁故になりたい(ヤツ)なんか山ほどいんだろ」

真に事もなげに言われて、自分でもどこにショックを受けてるか分かんないけど、なんかショックだった。

「・・・でも仁兄には好きな人と一緒になって欲しいもん」

だって仁兄の性格だったら。メリットになりそうな相手と愛がなくても結婚しそうだし・・・っ。

「あたしはゼッタイ反対」

プイと横を向いてロンググラスを掴み、残りのカルーアミルクを一気飲みする。

「オマエが拗ねてどーすんの」

横から伸びてきた掌があやすように頭を撫でるけど、誤魔化されてるみたいで頬を膨らませたまんま。

「チヨちゃんもそろそろ“お兄ちゃん”離れの時期かしら?」

今回ばかりはユキちゃんまで真の味方だった。

「宮子のブラコンは無自覚なクセに年季入ってんだよ、ユキ姉」

同い年なのに歳上ぶって言われてんのが、どうにも口惜しい。

仁兄のお見合い話は断固、哲っちゃんに抗議するんだから! 
ココロに固く誓ったあたしだった。



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