愛は、つらぬく主義につき。 ~2
ねぇ真。

ここから先、あたし達を待つのはどんな未来だろうね。
甘いだけじゃない、優しいだけじゃない。
どうしようのないこと、退けないこと、貫くしかないこと。
何かを失っても選ばなくちゃいけない時もあるかもしれない。

いつか。
真の右脚が動かなくなって。
思いやりや労わりがすれ違うこともあるかもしれない。

傷付いて、疲れて、ままならなくて。
でもそんな時はきっと、榊が叱ってくれる。
ユキちゃんが教えてくれる。
紗江や織江さんが励ましてくれる。

みんなが手を差し伸べて、あたし達を助け起こしてくれる。

だから怖くないよ。
あんたの言葉だけ信じて生きていける。
一生。死ぬまで。

死んでも。

生まれ変わっても。



「臼井宮子、あなたは臼井真を夫とし・・・・・・」

神父さんが問う。真に向き直って見上げる。綺麗な顔した愛しい男があたしを見つめてる。
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