愛は、つらぬく主義につき。 ~2
花爛で交わしたあの約束はあたしと榊のものだから。真にはなにも言ってない。たぶん最期まで言わない。

あたしは真より先には逝かない。榊はあたしを置いてかない。だったら、あたしを見送るのはあんたの役目だからねっ?

心の中でそう語りかけると。まるで読んだみたいに眼差しが和らいで見えた。

“真と二人で迎えに来やがれ”。

生まれ変わっても友達だけど、あの世でも三人でいなきゃあたし達らしくないもんね。

紗江や真には見えない誓いを上書きして。目だけであたしも微笑み返した。





時間の許すかぎり、普段はなかなか会えない織江さんや由里子さんとも楽しくお喋りできた。

シノブさんが抱っこしたら椿ちゃんが蝋人形みたいに固まった、とか。陽斗くんが雅ちゃんを『あそぼう』って誘った瞬間、一ツ橋の虎徹からただならない殺気が漂った、とか。ユキちゃんに弟扱いされて怒ってる藤さんが、なんだかすっごく可愛く見えた、とか。見なかったほうが良かったかもしれないレアな一面も覗けた。本当にあっという間だった。
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