愛は、つらぬく主義につき。　～2
榊を待ってるあいだにユキちゃんお手製のナポリタンでお腹も満たして。人当たりがよくって人気者のママを独り占めできない時は、スマホをいじって時間を潰す。

今日は金曜日。不動産投資部門は業界に倣って平日休みだけど会社は基本、土日祝日が休み。週末はマンションじゃなく哲(て)っちゃん家(ち)に帰る。･･･そこはこれまでと一緒。

変わったのは。仁兄がバリアフリーにリノベーションしてくれたマンションで遊佐とふたり暮らしになったこと。実家の方が遊佐は楽だし、マンションに取りあえずあたしが住んで行ったり来たりするって最初の話は。

『オレと宮子だけで暮らしてみよ』

遊佐のひと言で裏返った。

もちろん榊のサポートなしじゃ絶対に無理で。まだ２階の部屋でよかったって思う。万が一エレベーターが使えない事態に陥っても、今はあたしの力だけでもどうにか遊佐を助けられる。

近所だから瑤子(ようこ)ママもしょっちゅう、おかずを届けてくれたりお裾分けしてくれたり。炊いたご飯より、おばあちゃん秘伝の炊き込みご飯のほうがテーブルに並ぶ回数が多いくらい。

みんながあたし達をめいっぱい助けてくれる。存分に甘えさせてもらって。その分あたしも遊佐も、できることから恩返ししていこうって。

『ありがとう』を強く心に刻んで毎日を過ごしてる。
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