愛は、つらぬく主義につき。 ~2
食後はリビング続きの畳敷きの小上がりで、子供達とおママゴト遊び。今どきのおもちゃはクオリティも高くて、クレープ屋さんとか回転寿司屋さんとかホンモノ顔負け。どっかの店員の真似ごとなのか、雅ちゃんは椿ちゃんと一緒になりきりゴッコ。

あたしも娘ができたらこんな風なんだろうなぁ。子育ての練習してるみたいで、なんかくすぐったい。

結婚も決まったし子供だっていつ授かってもいいって思ってる。紛れもない本心。・・・もしかしたら。妊娠は普通よりハードルが高いのかもしれない。でもその時はその時だし、自然に任せたい気持ちはきっと真も同じハズ。


「・・・わたしね。宮子さんみたいに強くなりたいって、いつも思うの」

夢中になってる子供達を愛しむような眼差しで見つめてた織江さんが、ふと。あたしに微笑みかける。

「諦めないことも信じ続けることも口で言うほど簡単じゃないもの。・・・渉さんが帰ってきてくれた時、ああ今日も無事だったって心底ほっとするの。送り出す時は本当は不安でしょうがないのを、一生懸命『大丈夫、渉さんを信じて』って自分に言い聞かせて」

少し言葉を切って、続いた。

「渉さんはそういうこと、すぐに気が付いてしまう人だから。わたしを安心させるために何かあっても隠し通そうとする。いつでも笑顔でいられるくらい、もっと強い人間になって渉さんを少しでも楽にしてあげたい。宮子さんはわたしの目標だわ」
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