愛は、つらぬく主義につき。 ~2
「そうそう、きのう相澤君から電話が来てね? 何かと思ったら、宮子ちゃんに余計なこと言うなって釘刺されちゃったぁ」

今度は、悪戯っ子みたいに舌を出してみせる由里子さん。ていうか。抜かりないですね、相澤さん・・・。学生時代はどんなだったのか、レアな話を訊けるチャンスだと思ったのにー!

「織江ちゃんと付き合いだした時も、おんなじこと言ったの。ほんとカッコつけなんだから、相澤君はぁ」

三人で顔を見合わせ、声を立てて笑い合う。

「宮子ちゃんのダーリンも、アイドル系のすっごい男前って聞いたけど! あたしも会いたい」

矛先がいきなりこっちに向いて、ちょっとだけむせる。

「遊佐さん、宮子さんのこと本当に大好きで、優しくて強くて、すごく素敵な人なんですよ?」 

織江さんまで一緒になって、持ち上げすぎですってば! 思わず赤面。

「いえあの」

謙遜してみたものの。否定できる要素もなくて、その後が続かない。
ああもう。どんだけ真が好きなの、あたしって!
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