愛は、つらぬく主義につき。 ~2
「お前が真の二の舞を踏ませたくねぇ気持ちも分かる。・・・けどな、現実はそんな甘かねぇんだよ。アイツもお前も、守ってもらわなきゃ生きていけねぇって覚悟つけろ。その為に誰が死んでも乗り越えてく覚悟をつけろ。テメーに出来ることを、はき違えてんじゃねぇよ。頭冷やして(いち)から考え直しやがれ、ドアホが」

低く淡々と一息に言い切られた。

言葉のひとつひとつが。そのたびに火花みたいに散って弾けて。あちこちに突き刺さった。

痛かった。
熱かった。
ヒリヒリした。


横っ面を引っぱたかれて正気に戻されたみたいな。・・・ああでも。
あんたの言うコトは間違ってない。間違えそうになるあたしをいつも掬いあげて、『こっちだ』って。



真は。
誰かの助け無しには生きていけない自分と向き合って。あたしと離れない道を選んでくれたのに。

支えられて生きる。
命を預けて生きる。
命懸けで守られて、生きる。


ぜんぶの覚悟を貫けてなかった。きっとあたしだけが。
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