愛は、つらぬく主義につき。 ~2
ユキちゃんにまで言われちゃったら、さすがに諦めもついたっていうか。小さく息を吐く。
「他に出来ることってないかなぁ・・・」
「なぁに? そんなに深刻な悩み?」
カウンターの向こうから視線を投げかけられて、ぽつぽつ話し出す。
「あたしのせいで誰かが傷付くのを覚悟しろって、榊に言われたの。守られて生きる以上それが現実だ・・・って」
「・・・そう」
「覚悟はしてるつもり。でもその時に、なんにも出来ないでただ見てるだけなんて・・・」
あたしには。榊や真みたいに極道らしい覚悟はできてないかもしれない。
だから甘いのかもしれない。
グラスの中でマドラーをゆるりと回せば、カルーアとミルクが混ざり合いカフェオレ色に様変わりしてく。
ややあってユキちゃんが静かに口を開いた。
「・・・きっとなにがあっても後悔になるわ。大きい後悔になるか小さい後悔になるかなんて、気休めにしかならない。誰かが腕一本、脚一本失くすことになったって、命ごと落とすことになったって、救われた方が背負う重さは変わらないの。一生、重みを抱いて生きていくの。チヨちゃんに出来ることは、どんなに辛くても忘れないでお墓まで持っていくこと。・・・それだけよ」
俯かせ加減の眼差しの奥は、どこか儚そうに揺れて見えた。
やんわりした響きだったのに。・・・ずっしりとあたしの中に沈み込んでいった。
「他に出来ることってないかなぁ・・・」
「なぁに? そんなに深刻な悩み?」
カウンターの向こうから視線を投げかけられて、ぽつぽつ話し出す。
「あたしのせいで誰かが傷付くのを覚悟しろって、榊に言われたの。守られて生きる以上それが現実だ・・・って」
「・・・そう」
「覚悟はしてるつもり。でもその時に、なんにも出来ないでただ見てるだけなんて・・・」
あたしには。榊や真みたいに極道らしい覚悟はできてないかもしれない。
だから甘いのかもしれない。
グラスの中でマドラーをゆるりと回せば、カルーアとミルクが混ざり合いカフェオレ色に様変わりしてく。
ややあってユキちゃんが静かに口を開いた。
「・・・きっとなにがあっても後悔になるわ。大きい後悔になるか小さい後悔になるかなんて、気休めにしかならない。誰かが腕一本、脚一本失くすことになったって、命ごと落とすことになったって、救われた方が背負う重さは変わらないの。一生、重みを抱いて生きていくの。チヨちゃんに出来ることは、どんなに辛くても忘れないでお墓まで持っていくこと。・・・それだけよ」
俯かせ加減の眼差しの奥は、どこか儚そうに揺れて見えた。
やんわりした響きだったのに。・・・ずっしりとあたしの中に沈み込んでいった。