愛は、つらぬく主義につき。 ~2
どうして高津さんがここに。
口にする前に、腰掛けながら彼は先回りする。
「ついでがあって、もし居たら君に会えるかなって思ったんだよ。素通りするのも藤代さんに失礼だしね」
思わずユキちゃんを見やる。
高津さんがジンライムを頼むと「チヨちゃんは、ギムレットでどう?」とシェイカーに手を伸ばし、にっこり笑んだだけ。
「“ちよちゃん”?」
「ユキちゃんはあたしをそう呼ぶんです」
隣からの不思議そうな流し目に、ミヤコ繋がりの女優さんうんぬんを省いて軽く受け流した。
「由里子と会ったんだってね。相変わらずお節介だろ彼女」
気まぐれに始まる会話。肩を竦める素振り。・・・言うほどうんざりでもない空気。
お腹の底をきゅっと引き締める。
この人って本当に読めない。色のない眼差し以外は自然体で、棘もささくれもない。悪い人に思えない。・・・でも油断できない。相澤さんに執着してるかぎりは。
「君のことも気に入ったみたいだったな。その点は俺も同感。もっと話したいって思ったから来たのかな・・・。俺もたいがいだね」
自問自答するように。高津さんはクスリと漏らしてグラスに口を付けた。
口にする前に、腰掛けながら彼は先回りする。
「ついでがあって、もし居たら君に会えるかなって思ったんだよ。素通りするのも藤代さんに失礼だしね」
思わずユキちゃんを見やる。
高津さんがジンライムを頼むと「チヨちゃんは、ギムレットでどう?」とシェイカーに手を伸ばし、にっこり笑んだだけ。
「“ちよちゃん”?」
「ユキちゃんはあたしをそう呼ぶんです」
隣からの不思議そうな流し目に、ミヤコ繋がりの女優さんうんぬんを省いて軽く受け流した。
「由里子と会ったんだってね。相変わらずお節介だろ彼女」
気まぐれに始まる会話。肩を竦める素振り。・・・言うほどうんざりでもない空気。
お腹の底をきゅっと引き締める。
この人って本当に読めない。色のない眼差し以外は自然体で、棘もささくれもない。悪い人に思えない。・・・でも油断できない。相澤さんに執着してるかぎりは。
「君のことも気に入ったみたいだったな。その点は俺も同感。もっと話したいって思ったから来たのかな・・・。俺もたいがいだね」
自問自答するように。高津さんはクスリと漏らしてグラスに口を付けた。