愛は、つらぬく主義につき。 ~2
「・・・よく分かんない・・・」

ココロの声がそのまま零れて。深い息を逃す。

「ユキちゃん、あのひと・・・」

言いかけたのを飲み込んだ。
高津さんの背中を追いかけた横顔が、無慈悲な凜気をはらんで見えて。

「・・・お嬢」

そのままに向けられた硬い(ハガネ)みたいな眸。

「晶を侮るな。気を許すと喰われる。・・・マコトを泣かせるよ」

最後の言葉があたしを奥まで貫いた。

それこそ。見くびらないでね。

「大丈夫、ユキちゃん」

真っ直ぐ見据えて、力強く言い切る。

「泣かせない覚悟だけはね。とっくについてんの、あたし」


たとえ。高津さんと相澤さんが殺し合って、織江さんが泣いても。
『あんたが生きててよかった』って。あたしは笑うの。

ほかの誰がどれだけ傷付いてもあたしには真が一番で、それぐらい大事だってことを。間違えたりしないよ、ユキちゃん。


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