愛は、つらぬく主義につき。 ~2
それからやっと真と榊が姿を見せるまで。高津さんのことはあえて触れずに、テレビのワイドショーの話題や、観たい映画の話で盛り上がってた。




「ごめん宮子。遅くなったー」

接待だったのか黒のスーツ姿で。
隣りに腰掛けるなりネクタイを乱し、気怠げに息を吐いた甘い顔の男を見つめる。

「どした?」

「・・・ううん」

首を振って笑む。

ああ、なんか。
今すぐ抱きしめたい。
抱きしめて、名前よんで。
髪を撫でながら愛してるって聴かせたい。
すごくそうしたい。

「オレがいなくて寂しかった?」

あったかい掌に頬を包まれる。
アノヒトノ指先ハ冷タカッタ。
甘えるようにすり寄せる。


「・・・俊哉。悪い、クルマ回して。今日は帰るよユキ姉」

「それがいいわ。チヨちゃん、ちょっと“悪酔い”しちゃってるみたいだし」

あたしを見ずにユキちゃんは真に向かって、にっこりと微笑む。


「マコトちゃんより効く薬なんて、どこにもないものね」
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