愛は、つらぬく主義につき。 ~2
マンションに着いて、スライドドアの外から「おやすみ」の声をかけた時。こっちに横目を傾けた運転席の榊が素っ気なく。

「・・・しばらく一人で出歩くな。言えば迎えに来てやる」

「でもあんただってヒマじゃ」

「ねぇよ。分かってるなら、ぐだぐだ抜かして手ェ焼かすな」

にべもない優しさをありがたく貰っといた。
あたしは守られることから逃げないって。・・・決めたんだから。







時間を惜しむみたいにお風呂に直行して。

「宮子・・・」

真は切なそうに名前を呼びながら。お湯に火照るうなじに首筋に、肩に唇を這わせる。
愛してるって言われるより、躰の奥底にまで響く。

いつもより。容赦ない気配で躰を開かされて。
真はあたしにばかり欲しがらせたがった。
反応をひとつひとつ、確かめたがった。

・・・いいよ。
ぜんぶ真のものだよ。

こじ開けて、かき混ぜて、引きずり出してもいい。
だいじょうぶ。痛くないから。


見て。

あたしのナカ、あんたでいっぱいでしょ。

ほかに何も詰まってないでしょ。



高津さんなんて欠片も。ないでしょ。
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