愛は、つらぬく主義につき。 ~2
離れの部屋に戻りまだ色んな感情が整理しきれてないのを。真は「風呂はいろ」と変わらない調子で頭をぽんぽん撫でて言う。

お湯に浸かりながら後ろからお腹の辺りに両腕を巻き付けられ、真を背もたれに躰を預けきって。

「思ったほど傷も深くないから復帰も早いだろうってさ。『チヨちゃんが泣いてる場合じゃないでしょ』ってユキ姉からの伝言」

見てきたみたいな言われ方に、思わず力ない笑いが零れたあたし。

「・・・・・・藤さんもいるし織江さん大丈夫だよね」

ぽつり呟く。

「取りあえず藤代さんに連絡してみな。どこまで伝えてあんのか聞いた方がいいだろ」

「ん。・・・そうする」

「代理のマンション周辺はウチも見張らせてる。志信さんも動いてるよ」

「・・・うん」

「ちょっとだけガマンしてくれたら宮子も、亞莉栖でもどこでも出かけていいから」

優しくあやして、後ろ頭にコツンとおでこが当てられた。

「明日は大姐(おおあね)さんに顔を見せてやりな。オマエがへこんでるって、きっと心配してる」
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