溺愛なんてされるものじゃありません
夜になり、私の体調もまだ最悪のままだった。家でゆっくりしてたいけど、飲み物もなくなり食欲はないけど今日は何も食べてないから食料も仕入れないといけないということで、私はマスクをして熱でフラフラしながら買い出しに出た。

「赤崎、マスクしてどこ行くんだ?」

マンションの前で声をかけられ振り返ると主任がいた。

「あれ主任、デートは?まだ帰るには早くないですか?」

外は暗くなっているけど、さっき時計を見た時にはまだ7時にもなってなかった気がしたのだが…。

「デートは終わったよって…お前フラフラしてるじゃないか。」

「あはは、二日酔いと思ってたら風邪だったみたいです。でも食料も飲み物もないし買い出し行かないと…。」

「買い出しはいいから、とりあえず俺の部屋に来い。」

主任はフラフラしている私の肩を持ち、支える様に歩き出した。

それから主任の部屋に入り、ソファーにストンと座る。

「お粥作るから少しソファーで横になっていろ。」

「だ、大丈夫ですから。」

昨日から主任に迷惑をかけ過ぎて申し訳ない気持ちしかない。私はソファーから立ち上がって笑顔で大丈夫アピールをする。

「ったく、体調が悪い時くらい俺に甘えとけって。」

主任は私に顔を近づけて軽くデコピンしてきた。私は何も言えなくなりまたソファーに座る。しばらくすると熱々のお粥を私の前に持ってきた。

「ゆっくりでいいからちゃんと食べるんだぞ。俺は風邪薬買ってくるから。」

食欲は全くなかったけど、主任の作ってくれたお粥は美味しくて全部食べる事ができた。

食べ終わった茶碗をフラフラしながら洗い、ソファーで横になって主任の帰りを待った。

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