溺愛なんてされるものじゃありません
「あっいや、何でもない。忘れてくれ。」
「よく事情は分かりませんが、良ければこのミント飴どうぞ。頭の中がスッキリしますよ。」
彼女は笑顔でミント味の飴を俺に差し出してきた。そう言えば、社内の女性社員達には何故か避けられるけど、彼女は普通に俺に話しかけてくれたな。
「ありがとう、頂くよ。」
彼女にお礼を言って貰ったミント飴を口に入れた。
「うわっ…。」
飴を舐めた瞬間、あらゆる所にミント感が広がった。刺激が強くて緊張どころじゃなくなった感じがする。何だか頭の中もスッキリとしていた。
「どうです?スッキリしませんか?」
彼女は笑いながら感想を聞いてきた。彼女の笑顔に釣られて、俺も笑ってしまった。
「あぁ、緊張もどこかに飛んでいったよ。これで仕事も頑張れそうだ。」
「良かった。じゃあ特別にもう一つどうぞ。ではお仕事頑張って下さい。」
そう言ってもう一つ俺に飴を渡して、そのまま一礼して彼女は何処かへ行ってしまった。
あんなに治らなかった手の震えも止まり、今は仕事も上手くいく予感しかない。
もちろん予感だけではなく、結果プレゼンは上手くいき契約を取る事もできた。
「彼女の名前と部署くらい聞いとけば良かった。」
その後、仕事が上手くいった事を伝えたくて探してみたが、結局彼女を見つける事は出来なかった。
それからも大事な仕事の前には彼女からもらったミント飴の事を思い出し、緊張を和らげるようになった。
「主任、どうかしたんですか?」
昔の事を思い出しボーっとしていた俺に、高成が声をかけてきた。いつのまにか営業先に到着していた。
「いや何でもない。高成、今緊張しているか?」
「まぁ多少は…。でも赤崎さんの笑顔とミント飴のおかげで今ならどんな仕事もクリア出来そうです。」
「…だろうな。」
高成に聞こえないくらいの小声で言うと、車から降りて営業先のビルを見上げた。
多分、あの時ミント飴をくれた彼女は美織だったのだろう。こんな強烈なミント飴を持ち歩く女性も中々いないだろうし。そう思うと運命を感じずにはいられなかった。
「よく事情は分かりませんが、良ければこのミント飴どうぞ。頭の中がスッキリしますよ。」
彼女は笑顔でミント味の飴を俺に差し出してきた。そう言えば、社内の女性社員達には何故か避けられるけど、彼女は普通に俺に話しかけてくれたな。
「ありがとう、頂くよ。」
彼女にお礼を言って貰ったミント飴を口に入れた。
「うわっ…。」
飴を舐めた瞬間、あらゆる所にミント感が広がった。刺激が強くて緊張どころじゃなくなった感じがする。何だか頭の中もスッキリとしていた。
「どうです?スッキリしませんか?」
彼女は笑いながら感想を聞いてきた。彼女の笑顔に釣られて、俺も笑ってしまった。
「あぁ、緊張もどこかに飛んでいったよ。これで仕事も頑張れそうだ。」
「良かった。じゃあ特別にもう一つどうぞ。ではお仕事頑張って下さい。」
そう言ってもう一つ俺に飴を渡して、そのまま一礼して彼女は何処かへ行ってしまった。
あんなに治らなかった手の震えも止まり、今は仕事も上手くいく予感しかない。
もちろん予感だけではなく、結果プレゼンは上手くいき契約を取る事もできた。
「彼女の名前と部署くらい聞いとけば良かった。」
その後、仕事が上手くいった事を伝えたくて探してみたが、結局彼女を見つける事は出来なかった。
それからも大事な仕事の前には彼女からもらったミント飴の事を思い出し、緊張を和らげるようになった。
「主任、どうかしたんですか?」
昔の事を思い出しボーっとしていた俺に、高成が声をかけてきた。いつのまにか営業先に到着していた。
「いや何でもない。高成、今緊張しているか?」
「まぁ多少は…。でも赤崎さんの笑顔とミント飴のおかげで今ならどんな仕事もクリア出来そうです。」
「…だろうな。」
高成に聞こえないくらいの小声で言うと、車から降りて営業先のビルを見上げた。
多分、あの時ミント飴をくれた彼女は美織だったのだろう。こんな強烈なミント飴を持ち歩く女性も中々いないだろうし。そう思うと運命を感じずにはいられなかった。