戻れない道〜希望と絶望〜
第1章
〜出会い〜
6月。梅雨で雨が降り続き、湿度も高くて街を歩くのも不快に感じる。俺は3年勤務した病院を退職して、新たな職場を求めた。看護師資格はありがたいもので、苦労することなく新しい職場を得ることができた。
別に職場に不満があった訳じゃない。むしろ、看護師として育ててくれたことに感謝すらしている。しかし、もっと別なフィールドで活躍してみたい。そんな気持ちを掻き消すことができず、苦労は覚悟の上で転職を決めた。上司や同僚は口を揃えて
「もったいないよ。福利厚生だって恵まれてるし、キャリアアップだってできるのに。こんなに良い職場なんて他にはないって」
弓矢のように俺を襲ってくる言葉だ。
もちろん、そういう意見に反論するつもりはない。実際、誰からも羨まれるような職場だし、看護学生からも人気の高い職場だ。だからこそ、他の職場で自分を試してみたいって思ったのだ。
無謀だとか恩知らずだとかいう言葉も陰から聞こえてはくるが、自分で決めたこと。後悔なんかしてない。
別に職場に不満があった訳じゃない。むしろ、看護師として育ててくれたことに感謝すらしている。しかし、もっと別なフィールドで活躍してみたい。そんな気持ちを掻き消すことができず、苦労は覚悟の上で転職を決めた。上司や同僚は口を揃えて
「もったいないよ。福利厚生だって恵まれてるし、キャリアアップだってできるのに。こんなに良い職場なんて他にはないって」
弓矢のように俺を襲ってくる言葉だ。
もちろん、そういう意見に反論するつもりはない。実際、誰からも羨まれるような職場だし、看護学生からも人気の高い職場だ。だからこそ、他の職場で自分を試してみたいって思ったのだ。
無謀だとか恩知らずだとかいう言葉も陰から聞こえてはくるが、自分で決めたこと。後悔なんかしてない。
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