ボクソラ☆クロニクル
ワクワクすること
「いくらニーナちゃんが良くても、うら若き乙女に野郎共の下着を洗わせるなんてワタシが耐えられないし、ルドルフみたいな男所帯慣れしすぎてて女性免疫ゼロのティーンにはちょっとした羞恥プレイなのよ」
「はぁ……」
「ニーナちゃんにしてもらうのはお洋服を繕ってもらうまで。良い?」
「……ハイ」
「ニーナちゃんも分かって? これはワタシとルドルフ。その他構成員たちのためなの」
「は、はい……!」
真剣な目のサミュエルさんに気圧されて私もコクコクと首を縦に振ることしか出来なかった。
「貴方のような可憐な少女には、こんな汚物に触れて欲しくないの。気が狂いそうになるわ」
「俺らの下着は汚物か」
「野郎の下着なんて汚物に決まってんでしょ!? なんだと思ってんの!?」
ということで、洗濯物を干す作業はサミュエルさんたちにお任せすることになってしまった。
関係ないけどサミュエルさんの下着は女物ではなくて普通に男性用のボクサーパンツだった。
洗濯している時に何となく感心してしまったことは口に出さない方が吉なのだろう。
しかしこれでは頂いたお仕事を完遂することも出来ないまま手隙になってしまった。
どうしようかな。お掃除でもさせてもらおうかなと当たりを見回していると、レオンさんが「ああ、そうだ」と声を上げた。
「ルドルフ、お前整備の手伝い欲しがってたろ」
「いや、まあそうだけど」
「ニーナ。ちょっとコイツの手伝いしてきてくれねぇか?」
「はい! もちろんです!」
「はぁぁ!?」
レオンさんの言葉に勢いよく頷くと、大方の予想通りルドルフさんが抗議の声を上げた。