騎士団長と新妻侍女のひそかな活躍
「そうですか……」
エルシーは俯きかけたが、自分は騎士団長の妻だ、と心の中で渇を入れる。
「ご無事に戻られる日を、お待ちしております」
「本当に、待っていてくれるんだな」
アーネストは椅子から腰を浮かせると、エルシーの横に座り直し、強く彼女を抱き寄せた。
「ここからは夫婦の話だ。……君が、自分を捨ててくれと言ったり、家をでたりしたのは、ディアン殿の件が原因だったのか?」
「……おっしゃる通りです。申し訳ありません。今思えば、ちゃんとアーネスト様に話せば良かったと後悔しています。でも、その時は、そうするしかないと思い込んでしまっていて……私のせいで、アーネスト様にご迷惑をおかけするわけには、と……」
「どうして、全部背負い込もうとするんだ」
アーネストが深くため息をつく。
「君のこれまでの環境を考えると、そうすることが自然と身についているのはわかっている。だが、俺たちは夫婦になったんだ。求婚の時は自分でもぞんざいな言い方をしてしまったと後悔しているが……俺は形だけで君と結婚生活を送ってきたわけじゃない。心から大切に想っている」
「アーネスト様……」
「これからは、どんなことがあっても共に立ち向かっていきたい。それがどんな結果を生んだとしても、俺は後悔しない。愛する妻と一緒に迎える運命なら、本望だ」
エルシーは俯きかけたが、自分は騎士団長の妻だ、と心の中で渇を入れる。
「ご無事に戻られる日を、お待ちしております」
「本当に、待っていてくれるんだな」
アーネストは椅子から腰を浮かせると、エルシーの横に座り直し、強く彼女を抱き寄せた。
「ここからは夫婦の話だ。……君が、自分を捨ててくれと言ったり、家をでたりしたのは、ディアン殿の件が原因だったのか?」
「……おっしゃる通りです。申し訳ありません。今思えば、ちゃんとアーネスト様に話せば良かったと後悔しています。でも、その時は、そうするしかないと思い込んでしまっていて……私のせいで、アーネスト様にご迷惑をおかけするわけには、と……」
「どうして、全部背負い込もうとするんだ」
アーネストが深くため息をつく。
「君のこれまでの環境を考えると、そうすることが自然と身についているのはわかっている。だが、俺たちは夫婦になったんだ。求婚の時は自分でもぞんざいな言い方をしてしまったと後悔しているが……俺は形だけで君と結婚生活を送ってきたわけじゃない。心から大切に想っている」
「アーネスト様……」
「これからは、どんなことがあっても共に立ち向かっていきたい。それがどんな結果を生んだとしても、俺は後悔しない。愛する妻と一緒に迎える運命なら、本望だ」