騎士団長と新妻侍女のひそかな活躍
「痛い……」
それほど高さはないように感じたものの、身体をがけ下の地面に打ち付け、左足首も少しひねってしまった。最悪なことに落ちた衝撃で、ランタンの火が消えてしまっている。
心細くなり辺りを見渡すと、遠くの方に火の灯りが見えた。
(捜索隊だわ、よかった)
エルシーは何とか立ち上がり、足を庇いながらその方向へ進んだ。近づくにつれ、ふたりいるとわかる。ひとりはフードつきのローブを身にまとい、もうひとりはマントのようなものを羽織っている男だった。聞き取れないが、何か話しているようだ。騎士団服ではないことを訝しみながらも、エルシーが近くの木に寄りかかりながら、助けを求める声を上げようとした時。
「私をここで殺しなさい」
女性の声がはっきりとエルシーの耳に届いた。間違いなくティアナの声だ。それに応えるように、男が腰の剣を抜く。ローブの人物がやや身じろぎし、フードから銀髪がのぞいた。
エルシーは驚きで目を見開く。足の痛みなど忘れて、勢いよくふたりの前へ飛び出した。
「ダ、ダメー!!」
それほど高さはないように感じたものの、身体をがけ下の地面に打ち付け、左足首も少しひねってしまった。最悪なことに落ちた衝撃で、ランタンの火が消えてしまっている。
心細くなり辺りを見渡すと、遠くの方に火の灯りが見えた。
(捜索隊だわ、よかった)
エルシーは何とか立ち上がり、足を庇いながらその方向へ進んだ。近づくにつれ、ふたりいるとわかる。ひとりはフードつきのローブを身にまとい、もうひとりはマントのようなものを羽織っている男だった。聞き取れないが、何か話しているようだ。騎士団服ではないことを訝しみながらも、エルシーが近くの木に寄りかかりながら、助けを求める声を上げようとした時。
「私をここで殺しなさい」
女性の声がはっきりとエルシーの耳に届いた。間違いなくティアナの声だ。それに応えるように、男が腰の剣を抜く。ローブの人物がやや身じろぎし、フードから銀髪がのぞいた。
エルシーは驚きで目を見開く。足の痛みなど忘れて、勢いよくふたりの前へ飛び出した。
「ダ、ダメー!!」