空に星が綺麗
8・コーヒーと一緒に
コトッ…と、テーブルのうえにマグカップが置かれた。

コーヒーのいい香りがした。

「クッキーにあうかなと思って。

杉田さん、コーヒーは平気でしたよね?」

「はい、飲めます」

私は返事をすると、マグカップを手に持った。

口をつけると、苦味が口の中に広がった。

でも嫌な苦味ではなく、コクや深みがある重工な感じがした。

「…美味しい」

私が呟いたら、
「よかった、ちゃんと淹れた甲斐があった」
と、星川くんが嬉しそうに言った。

「えっ、淹れた?」

インスタントだと思ったんだけど…。

「大学生の時に喫茶店でバイトしてたことがあったんです。

その時にコーヒーの淹れ方とか豆の種類とかいろいろなことを勉強したんです」

星川くんが言った。
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