空に星が綺麗
「当時の僕は家族間の争いに巻き込まれるのが怖くて、そこから目をそらしてしまいました。

我ながらひどい行動だったなと、自分でも思っています」

星川くんは当時のことを振り返って反省していた。

「それで、お姉さんたちはどうなったんですか?」

私は続きを促した。

この様子だと、冷静に話しあいは愚かいい方向へと発展できなかったかも知れない。

「学校を辞めて駆け落ち同然で家を出ました。

それからは僕が両親と姉さんの間に入って、お互いの近状報告をしていると言う感じでした」

「そうだったんですか…」

「去年の暮れのことです。

姉さんが青空を連れて僕の家に現れました」

星川くんが言った。

「“離婚したから住むところと働くところが決まるまで、しばらくここにいさせて欲しい”と、姉さんはそう言いました」

星川くんはしゃべり過ぎたと言うように、コーヒーを口に含んだ。
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