先輩
「うぅ、さむ〜。」

「寒いね〜。」

先輩の口から白い息が出る。
暗い冬の空と先輩の横顔。
赤信号のまぶしい光が先輩の瞳を淡い赤にする。そして、赤い瞳は青い瞳へと変わった。

「由奈ちゃん?信号青になったよ?」

「あ!ごめんなさい!渡りましょう!」

「俺の顔になんかついてた?」

「いや!なんでもないんです!ぼーっとしてただけです!」

先輩の横顔に見惚れてたとか言えない!

「考え事?相談乗るよ?」

「いや!本当になんでもないんです!」

「そう?なんか悩みがあったらいつでも俺に言って!」

「はい!そうさせてもらいます!」

はあ〜。先輩はどこまで優しんだ。
心もイケメンだな。
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